コーヒーもう一杯。 by 澤部



僕はボブ・ディランを聴いたことがない。
遠藤賢司を筆頭に僕の好きな表現者たちが、
彼の音楽に魅了され続けている。
だいぶ昔にどこかで詩集を読んだりして、
どきっとしたりはしたんだけど、
音を聞こうといまの今まで思えたことが一度もない。
アイデン&ティティでは、軽薄なまでにディランの詞が、
たくさん引用されているが、それでも音を聴こうとはしなかった。
それなのに、なんだ。
山川直人さんの「コーヒーもう一杯」を読んでいると、
ディランの音を聴かずにはいられなくなってくる。
こういう風に思わせるのって意外に難しいのかもしれない。
特別なポリシーがあってディランを聴かなかった訳じゃないんだ。
明日あたり図書館へ行って借りてみようと思う。