パッとしないラブソング by 澤部



バスが止まり電車も止まり、
友人との待ち合わせにも当然間に合わず(ごめん)、
ましてや開演ギリギリにNestについた。
会場ではルー・リードの「ベルリン」がかかっていたらしく、
入ると「サッド・ソング」の終盤が聴き取れた。
友人にも逢えた。なんとか。
一巡したのか、「ベルリン」がかかって、
ちょっとしたらライブが始まった。
エレキギターを持ち、何をやるのかと思ったら、
「東京でなにしてんねん」を久下さんと。
いつもよりテンポは落とし目で熱く歌い上げていたが、
出だしは大人しい印象も受けたが、
二曲目に唄った「僕は間違っていた」
でそんな考えは払拭される。
久下さんのドラムの暴れっぷりが素敵だった。
ここまでが一部。そして豊田さんのソロで、
「UFOキャッチャー」「最後のチュー」「八月十九日」
を演奏。「八月十九日」でエレキギターの弦が切れて、
豊田さんが「弦張れる人ー」と訊いたら、
「張りましょうか?」と勇敢な青年がステージに上がり、
本当に弦を張替え、帰って行った。
「仕事」「雨のラブホテル」「悪い夏」「愛と歩いて、町を行く」
「高円寺」「キリスト教病院」「彼」「Dog Dream」「アルバ」
「新曲(うどん)」「新曲(甘いチョコレート〜)」(順不同)
もっとやったかも。ハイライトは「八月十九日」。
激しいアレンジで、テレキャスを千切れんばかりに掻き毟りながら、
唄う、豊田さんの眼が忘れられない。
「甘いー、チョコーレート」という唄いだしで始まる新曲は、
とてもポップで、本人も「これ(アルバムに)いれとけば、
売れたかもな」とぼやいていたが、そうかもしれない。
とてもいい曲だった。「うどんがたべたいなー」
っていう唄いだしの新曲も、高円寺で聴いたとき、
面白い曲だなー。いい曲だなー。と思って聴いていたので、
すこしうれしくなった。うどんの「う」は浮世。
でも高円寺でやった「三百人を一片に愛せる」とか「殺せる」
という歌はやってくれなかったのが残念だった。
まあこんな感じで二部も終わる。
そして映像が流れる。
UNDER COVER JAPANの映像と思われる「星」がかかる。
いい映像作品だった。きれいな感じ。一度しっかり見てみたい。
そして「うなぎデート」上映。
盛り上がった後にバンド入場。豊田さん、学ラン、赤シャツ。
一曲目にはソカベさんも呼んで「うなぎデート」を披露。
ソカベさん出番終わり。
「恋ヶ窪」「River」「長い手紙」、順不同。
「恋ヶ窪」マンドリンとか入っていて、
とても楽しめた。Dr.Kyonの演奏するキーボードは、
まるで電車の発車のチャイムのような錯覚すら覚えた。
あんまり曲順とか覚えていないんだけれども、
向島ゆりこさん、川本真琴さんを迎えて、
「グッバイ・メロディ」「東京の恋人」「新宿」を演奏。
「新宿」での川本真琴さんが歌う「好きだった」というフレーズが、
なんというべきか、胸にささってしまった。
「東京の恋人」では目が潤んだ。
昨日も書いたけれども、ヴァイオリンは反則。
「新宿」で終わったんだっけか。
それで久下さんと残って「35の夜」。
テープエコー(絶対違うんだけれども、
だいたいテープエコーならあんな長い時間もたない。
あの機械がなんのエフェクターなのかわからない。
アナログディレイ?)でギターの音を入力し、
ハンドマイクで唄う豊田さん。カッコよかった。
ここまでが三部。よく覚えていないけれども、
ここからがアンコール。
アンケートをとる。本当は「中ノ島図書館」とか「砂嵐」とかが、
聴きたかったんだけれども、前回「21世紀の歌」をリクエストしたとき、
周りの時間が止まったように感じたので、メジャーどころの、
「移動遊園地」をリクエスト。他の人は「海を知らない小鳥」を。
また他の人は「I Love You」さらに他の人は「Forever Love」を。
さらには「ケンバン」までリクエストが。
マニアックすぎて笑ってしまった。
それらも結局は「あとでやるから」と言って跳ね除け、
「星」を唄おうとしたのだが、
本人が「これさっきやった」と気づき、流れた。
でなにやったんだっけ。「深夜放送」だったっけ?
「唄いやすいのを」とかいって。
もうこっからの記憶はごちゃごちゃ。
バンド編成で出てきて、「Forever Love」と「移動遊園地」を。
「移動遊園地」のリクエストはここで念願が叶った。
こちらもヴァイオリンが入って犯罪すれすれ。
そんでまた久下さんとのデュオで何曲か。
深夜放送はひょっとしたらここで唄ったのかもしれない。
久下さんとのデュオで記憶に残るのは「夜のラヴ」。
最後の最後は知らない曲を熱く演奏して帰っていった。
どのタイミングで演奏したか覚えていないが、
「海を知らない小鳥」は感動した。
美術の予備校にいたころを思い出した。
会場には無数の混沌が残った。