愛情 by 澤部



エマニエル夫人のような「裸に靴下」がそうなように、
東京の星空を見くびっちゃいけない。
ある程度隠されている方が見てて気分がいいと感じるのは、
僕があまりにも純朴だからなのかもしれない。
こんなんだから末期童貞とか言われるんだ。
でもね。東京の星空が僕は好きなんです。
大げさでない感じ。
それでもしみるときはしみる。
満点の星空なんてつまんない。
有限の中に素敵なものを見つけるんだ。
有限の中に可能性と隙間を見つけるんだ。
そうすればまたなんとかやっていけそうな気がする。
僕なんか本当にギリギリで生きている。
そんなことをいうと「私の方がつらい」とか言われるかもしれないが、
そんな不幸自慢に付き合ってるほど僕、余裕ない。
でも東京の星空にはそんなのも吸収してくれそうな、
余白がたくさんある。
僕らは毎日のほころびを夜空に任せるべきだ。