こころはとおい by 澤部

学校になぜかクリスマスツリー



豊田道倫の「東京の恋人」を買って聴いている。
私事で恐縮なのだが(いまさらいうことではないか)
先日部活でよく利用した、サンデーサン要町店が閉店した。
高校一年のころからヘビーユーザーとして美術部は活躍して、
「ドリンクバーとほうれん草のソテー」というフレーズは、
サンサンにおける定番文句となっていた。
そして昨日、部活の人間で押し寄せて夜11時30くらいまで居た。
思い出の最期を見届けることはできなかった。
決して美しくはないがあまりにも愛想のいい思い出たちが、
目の前から遠ざかっていくことに違和感を感じて、
やりきれない気分で今日を過ごしていたが、
この作品を聴いてようやく落ち着いてきた。
彼は言葉を、僕のことを燃やすかのように歌っている。
僕はもうじき灰になってしまうかもしれない。
そして東京モンの僕には彼が羨ましくてしょうがない。
彼にしか出せない音があることはいうまでもないが、
上京してきた人間にしか出せない音もある。
東京への憧れ、失望とかそういうものを、
歌にするアーティストは案外少ない。
僕は本当にもったいないことをしていると思う。
東京にはなにかがある、という漠然とした憧れには、
きっと大きな力があるだろう。

こうやって「東京の恋人」を聴くとすごくいい。
普段はミニコンポ→アンプ→スピーカー(黒。
写真には写っていないけれども)で聴いているけど、
ヘッドフォンのジャックにつないで紫の安スピーカーで。
こう聴くとすごく心地いい。
いい音で聴いても最高だし、
本来なら居心地が悪い音質でも、
このポップ曲集の前にはひれ伏すしかないのだろう。
本当に最高だ。泣かせてくれるじゃん。