先輩から by 澤部



思わぬ言葉をもらう。
「最近はめっきり大人に成ったのを見て、私はとても嬉しいです」
だそうで。僕の知らないところで掲げられたメッセージ。
とても驚きました。インターネットは広い。
そこにはほかの事もいろいろ書いてあったが、
わからない節が多すぎて、とても困っている。
「でも私にはいまとても大切な人がいるから(中略)
あなたの期待には添えられない…(略)」というくだりがあった。
それじゃあまるで僕が告白して振られたみたいじゃないか。
中2くらいのころ、彼女に魅かれたけれど、
よくよくあれは恋でもなんでもなかったなぁ。
ただ、彼女はベースがべらぼううまくって、
いい曲を書いていて、っていうこと。
彼女の才能に魅かれたのだ。
それをいまも恋してるみたいに書かれても…。
疎遠になっていないので、言うにも言えないけれども、
ささやかな反論として日記に書く。
ちなみに才能に魅かれる状態ってのは米山さんにも当てはまるし、
僕の周りにいるさまざまな女性に当てはまってしまう。
まぁ、そういうじきだったさ。中2なんて。
そして、僕は中3になり、めんどくさい片思い期に突入する。
いまや高嶺の花になってしまった彼女は、
僕を3,4年悩ませて去っていった。
お仕舞なんてあっけないもんで、「デート」に誘って、
その帰りの池袋駅。このまま帰るテンションだったんだけど、
どうにも今言わないともう言えない気がして、
勇気を振り絞って、気の利いた言葉を出そうとしたのよ。
でも結局出たことばはさ、「好きです、
付き合ってください!」なんていうしょーもないやつでさ、
帰りの電車で泣けなかったのは自分が不甲斐ないからじゃなかったのかなー。
あー。青くせー。青くせー。
どうして大人になれないのかなぁ。
誰が僕をおとなにしてくれるんだ?
音楽や映画を象徴とする芸術は僕をきもち大人にするけれど、
それは心理上の大人であって、決して大人ではないのだと思う。
セックスや酒やタバコを超えた先で大人になれるとして、
セックスや酒やタバコを超えても先に大人がなかったら?
僕は、どうするだろう。君なら、どうするのだろう。