この世の全部を by 澤部



愛することはできないのだろうか。愛せればどれだけ、
かっこいい人間になれるのだろうか。
街に出て、聞きたくない音楽を聴いているとそう思ってくる。
別に皮肉って言うわけではない。ちょっと本気でそう思えることが多い。
テロにしたってそうだ。いちいち考えていると、
頭がおかしくなってしまいそう。このもやもやから、
開放されるための手段は、あるのだろうか?
あるとするならば、全てを愛することなのか?
戦争も平和も心のそこから愛せることができて、
それでいて、そこに矛盾が生じないようにするには、
どうすればいいのだろうか?
僕は無宗教で、実際に宗教はあまり得意ではないし、興味ない。
人の作った枠にとらわれるのがあまり好きではないらしい。
でも僕は音楽を作るうえで、枠としてとらわれるものが多い。
その時点で僕にはもう矛盾が生じているのだ。
そんな人間が全てを愛するなんてちょっと、大仰すぎたかな。


いまiTunesからはドアーズの「The End」がかかっている。
(ドアーズは今まで対訳を読んだことが無い。
日本盤で買ったのに、もったいないな。)
ずっと[This is the end]と歌っている。
いったいどんな絶望なのだろうか。
想像は膨らませるだけにしておこう。訳詞は温めておこう。
いま、「The End」が終わり、ラントスターの「今を生きる」に変わった。
「You Are Free」を聴いたときはなんだか嬉しい気分だった。
肯定的な音楽を好きにさせてくれたのは、ラントだ。