決めた by さわべ



あした、晴れていてあったかかったら、
ビーチ・ボーイズのペット・サウンズを聴きながら登校しよう。


暗闇に腰掛けて、いろいろな人をすこし観察していたら、
「you still believe in me」が流れてきた。
どんな風景にも、美しいメロディはマッチしてしまう。
に、しても久しぶりのヘッドホンをつけないお散歩。
見慣れたはずの赤塚公園の風景が、
知らない風景に一瞬だけ変わって、
それからのことは思い出せない。
ただ、僕は口笛を吹きながらうちまで帰った。
家に着いて、お風呂に入ろうとしたら一番風呂だそう。
久しぶりだ。無垢なお湯の中、僕は久しぶりに鼻をつまんで湯船に沈んで見た。
脱衣所で流している「days of heriotrope」もあんまり聴こえてこない。
エリオトロープは僕を突き放して、ごわごわとした低音の聴こえる世界へと解き放った。
そこはある意味光だけの世界だったといっていいだろう。
この胸の高鳴りは久しぶりで、なんだか昔好きだった人のことを思い出した。