海の町 山の町 川の町 by 澤部



神奈川に営業。タックちゃんTシャツを着て。
東京の端っこから神奈川の端っこまでの大移動。
距離が遠ければ遠いほど対応が嬉しくなる。
ここまできてよかった、となるパターンも。


で、神奈川の端っこに行ったときに、
次のお店に行くまでの予定が空いたので、城見物と洒落込む。
電車の中で読んだ大島弓子の影響で、
海見てー、と思っていたので、歩いて見に行った。
道が細くなるにつれ、潮の馨りがキツくなっていく。
夏なら人はいるのだろうけれども、誰もいなかった。
足跡もなく、あとは鳩ぐらい。
と思っていたら70歳くらいの老人が座り込んで海を見ていた。
彼はなにを思っていたのだろう。
わかめがテトラにビッシリはりついている。
波がえぐったのだろか。少しキツい肌を見せる砂。
曇り空で水平線がはっきりとしない。
波の音と、たまに聞こえる高速道路を走る車の音。
それだけの世界。あまりにもありふれた日常は、
きっとここから非現実になっていくのだろう。