farewell gritty pudding by 澤部



そういえば、高校生新聞社賞なんていう賞を卒業式で貰いました。


卒業式。式自体は非常にけったい。誰も泣いてなかったと思う。
式が終わってみんなで写真とったりしたんだけれども、
みんな、これからに期待する顔をしていた。うらやましい。
これからが見えないわけではないが、みたくない、というのはある。


後輩から花束と寄せ書きを貰った。すごくうれしかった。
帰り道では邪魔になる、という考慮もあったのか、
美術部の後輩は一輪ざしでの花束。すごく素敵だ。
昨日の花の写真はその花。ガーベラの花。すごく素敵だ。


一回家に帰り、池袋に集合してOBの方々と打ち上げ。
カラオケに三時間、天狗に三、四時間、カラオケ五時間。
これがうわさのオールナイト。
2回目のカラオケは男4人だったがとても楽しかった。
ラントスターが入っていたので歌ってしまった。
気持ちよかったが、自分でギターを弾きながら歌うほうが気持ちよい。
紆余曲折あって真心ブラザーズの「橋の上で」を歌ったときに、
今までの6年間の記憶が走馬灯のようにめぐりめぐって軽く泣いてしまった。
中学校から高校という青春を僕は生きたのだろうか。
そして、恋の気配を感じながら僕はこの学校を去るのか、と。
カラオケ館の5階からは人のいない池袋西口が一望できた。
タクシーの明りが線を描いていく。終わりにふさわしい風景を見た気がした。


まだ明けきらない空の下、しもやまラーメンを喰らい、それぞれの家路につく。
東武東上線で薄く広がっていく空をみながらiPodで音楽を聴く。
シャッフルでかけたらちあきなおみさんの「喝采」が流れ出した。
おお、なんてこった。やっぱり僕の気持ちを理解しているんだ、あんたは。
上板橋を過ぎたあたりでyes,mama ok?の「Farewell Gritty Pudding」がかかった。
これは多分奇跡。そしてこの曲を聴きながら、
「僕は取り返しのつかないことをしてしまった」と、やった気がついたのだ。


美術部の人たちには「また逢いましょう」と言えたけれども、
クラスメートには「それじゃ」と手を振ることしかできなかった。