愛を語る by 澤部


木村紺さんの「神戸在住」を読み、ほろりと糸が解れてく。
僕の心のどこかにあるわだかまりはこの漫画を読むことによって、
少しずつ溶かされて行くのかもしれない。


僕がに憧れ理由の半分は豊田道倫だ。
上京への憧れと地方への憧れは表裏一体。
僕が地方に憧れる理由の半分は「神戸在住」だ。
この作品を読んでいると、いてもたってもいられなくなってくる。
何か行動を起こしたくなる。曲を書きたくなる。町に出たくなる。
人に会いたくなる。電話をしたくなる。ああ、ココアのみたい。
、君会いい。
いてもたってもいられなくなる作品というものは意外と多い。
豊田道倫の音楽を聴いてなにも行動しない人間はいない、
と僕は勝手に確信しているし、yes,mama ok?にだって、
それは確実ある。「問と解」を聴いて、
「いい曲じゃんだけで済ませていた中1のころの僕が信じられん。
ふたつのスピカ」では僕は実際に2曲ほど書いた。
山川直人の作品を読んで、コーヒーが飲みたくなり、
「イエスデイをうたって」を読んで恋をしたくなるのだ。


僕には田舎というものがなく、お盆なんかはとても寂しい。
正月だなんて言ったらとても味気ない。


神戸在住の八巻の最後に収録されている「神戸に来た日」を読んで、
やはり一人暮しをしよう、と心に決めた。
ちょっと前まで、急ぐこともない、と思っていたが、
このままぼーっとしていることもないだろう、と。


アルバムの構成を考えるために自分の過去のMDを全部聴いてみる。
12曲前後のCD-R。タイトルをどうしようか考えている。
もし、ひとり暮らしという形で生活に区切りがつくのなら、
そこで僕のつむぎだす音楽も変ってしまえばいいのに。