空気、 ( 澤部)


パソコンの調子が悪いよ。
誰とは特定できないが、変なエロサイトに引っ掛かってしまったらしい。
僕は掛かったつもりはない!

そんな話はいい。
今日はリアルで不思議な夢を見たのだ。


ブラウン管の向こうで、キャスター達が騒いでいた。
宇宙開発が急激に進んだため、人体実験が必要となった。
というハチャメチャなことを。
キャスターは政府から発表された文を読み上げる。
過去の記憶のなかで「宇宙行きたい」、
と思った事のある人物のなかから無作為に選出する―と。


夢のなかの世界では、記憶が政府によって管理されて、
十八歳以上のふしだらな妄想は法によって禁止されていた。
東京はスラム街のようになっていて、パンタロンが流行っていたと思う。


僕の携帯にメールが届いた。
誰からだろう。
政府からだった(こういうのをすぐ理解するところが夢っぽい)。
このプロジェクトに拒否権はないこと、
あなたの名前と功績は未来永劫語り継がれるということ、
長いことこっちにいると未練が生まれるだろうから、
という理由であと三時間で出発するということが記載されていた。
そのメールを読んだ瞬間、僕はそれを受け入れた。
まず、ゲンスブールのCDを聴いた。
そして、iPodを買った。宇宙で聴くために。
そしたら政府の連中が来て、たくさんの札束を積んで、
「この三時間で好きなことをしてください。
あなたは法には縛られません」と言った。
その後、僕は知り合いに挨拶することも、
法を犯すことも、音楽を聴くこともなく、
昔好きだった女の子と普通に電話をしてから、
池袋の東急ハンズの跡地に作られた打ち上げ台の近くで、
遺された三時間を過ごした。
スラム街と化した東京では、
至る所にジャズマスターがおっこちていたが、
もうギターを弾くようなテンションではなく、
ただ黙りながら発射台の階段に座っていた。


と、いうゆめをみた。